誕生日。
それは、あなたがこの世に授かった日。
あなたの“命”が生まれた日。




だから、何かを、あなたに授けたいの。




バースデー・プレゼント




「知盛の欲しい物って何?」
そう聞いたら、あっさり押し倒された。
これじゃ…聞けるはずないじゃない!!

学校でメンズ物の雑誌を広げてうんうんうなる。
服?時計?アクセサリー?香水?もっと実用的なもの??
広がる男の世界にますます、謎が深まるばかり。

「大人の男の人って何が欲しいと思う?」
友人に聞いたら、「え??彼氏?!!」と逆に質問攻め。
なのに私の望む答えは返ってこない。

「知盛の欲しい物って聞いてない?」
将臣君にきいたら、
「あ?あいつの欲しいもの?んなのわかるわけねーだろ。」

「譲君が欲しい物ってある?」
「そうですね…今はシナモンがきれているので…。それが欲しいです。」
それじゃ、違うんだって!!

あと少ししか時間はない。
どうしよう、どうしよう、どうしよう。
こうなったら、一番仲のいい将臣君にもう一回聞いてみよう!!

「知盛の欲しいもの本当に聞いてない?」
「は?だから知らないって。」
「何でもいいんだけど。」
「いや、マジで知らねえよ。大体あいつ物欲ってあまりねえしな。」
「え〜それじゃ困るよ!!」
「じゃあ、望美が知盛から欲しいものはないのかよ?」
「え?私??」
「そ。意外と同じようなものを欲しがるかもだぜ?」

私の欲しいもの…?
かわいい洋服、新しいバック、今流行の靴、あまあいお菓子、お揃いのアクセサリー…。
でも、知盛から本当に欲しいのは…。


「知盛。お誕生日おめでとう。」


最高に甘い、生まれてはじめての“自分からのキス”


こんなものじゃきっと満足なんてしないだろうけど。


せめて自分の思いをこめて。



これから先のお誕生日だって私はずっと傍で祝うの。
だから、しがみついてでも、今度は絶対にあなたを離さない。
あの空にも、あの海にも連れていかれるなんて、
もう絶対にさせない。


たとえこの身が朽ち果ててもそばに、いるの。


それを見透かしたかのように彼は言う。



「…クッ。やはりお前は貪欲だ。…だが、悪くない、な。」


その後は、あなたにプレゼントするのは、たった一つ。
“龍神の神子”の命だけ。



*あとがき*
知盛が欲しい物って何だろう…とうんうんうなった姿は、
実は私そのものです!

知盛お誕生日企画「赤芥子の宴」さん投稿作品