73 平日正午の贅沢情事



…しまった。とうとうやってしまった。

こんなことはおそらく想定の範囲内だと言うのに!

そう、知盛の部屋に行ってしまったらこうなることぐらい予測をたてて当然のはずなのに。



深夜11時。珍しい知盛からのメール。

題名:今帰った。

本文:



そう。題名だけで終わった傍から見たら、彼女に送るメールだとしたらとんでもなく失礼なメール。でも私には違ってとっても嬉しいものだった。

知盛がちゃんとメールをくれるなんてめったにない事。

しかも2週間海外に出張してしまっていて、知盛のことを感じられるのは久々だった。

雑誌の編集者(似合わない!)になってしまった彼は、非常に優秀らしく(何で?!)大きな仕事を任されるようになった。その仕事の一環で中国に出張してしまっていたのだ。

ええと…内容は何だっけ?「日本文化のルーツを探る」みたいな題だった。

そんなわけで会うことはおろか、声を聞くことすら出来なかった。



メールを見た瞬間思わず返信を打つ。

題名:RE今帰った。

本文:電話してもいい?



声が聞きたい。話をしたい。夜遅いけど…そんなのかまうもんか。



するとすかさずまた知盛からメールが来る。

題名:RE2今帰った。

本文:今お前の家の前。



思わずもぐりこんでいたベッドから起き上がり部屋の外を見る。そこにはバイクを脇に置いた知盛がいた。すぐに服を着替え静かに玄関を開ける。



そして…そのまんま。



我を忘れて知盛にしがみつき、キスをして、バイクの後ろに乗り込んで。

知盛の部屋に来ていた。



その熱が欲しくて、



その声が聞きたくて、



その肌に触れたくて、





ただただシーツの海におぼれて、







飽きるほど、抱き合って。









そして目覚めたら時計が指す時間は午前12時。

今日は月曜。しかも家にも帰ってない。



しゃれにならない。



とりあえず慌ててベッドから降りようとしたところ、

がっちりと知盛の腕につかまれた。

「…起きてたの?」

「…どこへ行く気だ?」

私の質問になんか答えることなく自分の質問をぶつける。この男はそういう男だ。

「…とりあえず、家。怒られるに決まってるけど…帰らなきゃ。」

そういってるのに、まるで聞く耳も持たず人の体にキスをする。

「…ちょっと…放して…。」

「…どうせ怒られるなら…もっと遅い時間でもいいんじゃないか…?」



…確かにそうだ。怒られるなら同じこと。

どうせなら、

「うん…そうだね。」

そう言って知盛のほうを向いて、唇にキスをする。そのキスは次第に深くなって。

そのまま、知盛の手は私の体に触れだす。柔らかいのものから、激しいものに。

自分の吐息もだんだんあまくなって。



何も考えずただただ、ただただ、あなたに溺れる。

なんて素敵な時間。何より贅沢な、甘い時間。





*あとがき*

このお題を見た瞬間はもう知望しか浮かびませんでした。

しかし、外で待ってる知盛って…(アリエナイ…。)

知盛の望美ちゃんに会いたかった!ということにしてください。