望美編
大学の講義が終わって、近くにいた彼に今日こそ聞くと決心して。
「草薙君、この間一緒にいたのって彼女だよね?」
「ん、そーだけど?」
目の前の草薙君が微妙に驚いた顔をして自分を見る。
本当はこんなこと草薙君に言うなんてちょっと、いやかなり情けないけど。
でも、恥は掻き捨て!
「あのさ…彼女、年上だよね?」
「…なんでそんなこと聞くんだよ?」
なんだかすごい殺気。こんな殺気、久々だ。
「あのね、彼女、紹介してもらえないかと思って。」
「…はあ?」
そう、この間喫茶店で草薙君の彼女を見たとき、明らかに年上なのがわかった。
お化粧とかばっちりしていて、落ち着いていて、大人の女って感じで。
何となく、知盛に追いつくためにも早く大人になりたくなってしまったのだ。
お化粧とか、雑誌だけじゃわからないし、親に聞いても古くて全然あてにならない。
同じ年の友達に聞いてもみんな彼氏とか同じ年ぐらいで、やっぱり年相応というか。
大人とは違う感じで、なんだか、うまくいえないけど違うのだ。
「で、オレの彼女に大人になるための方法、聞きたいということかよ。」
「うん。お化粧とか。それになんか彼女さん、お料理とかも上手そうだし。」
「料理…は…まあ、いいか。」
「?」
「わかった、彼女に聞いてみるよ。」
紹介してもらった彼女が元は一君の担任という事実に驚き、
とっても気さくでいい人で思い切り仲良くなって。
「知盛〜。悠里さんの家でご飯作ってみたから食べてみて。」
「一君。望美ちゃんと作ってみたの。どうぞ召し上がれ。」
二人の男が彼女の料理に心底悩むようになるのは、また別のお話。