望美→知盛
さよならを言うことが、こんなに辛いなら、
恋なんて、するんじゃ、なかった。
あの雨の日。突然の土砂降りの日。
「来るか…?」の一言に駆け出してしまった。
それがどんな痛みをもたらすのかなんて考えもせずに。
ただ知りたかった。
戦の時ではないあなたが、どんな人なのか。
戦のときはいつも私に痛みと憎しみしか与えてくれなかった人だから。
だから、知りたいと思ってしまった。
あの時、私に声を掛けたときの彼の声がひどく穏やかだったから。
もしかしたら優しさも兼ね備えているんじゃないかって。
彼はぐーたらで、面倒くさがり屋で、適当で。
でも、それが、とても人間らしくて。
もっと、もっと、知りたいって思ってしまった。
知りたいって思う。あなたのことを想う。想い続ける。
今も、ずっと、想い焦がれている
「じゃあな。」
穏やかな声で海に沈んだあなたを、
こんな北の大地で、
まだ想っている。
さよならなんて、出来ない。
この想いにさよならなんて、きっと、ずっと、出来ない。